ヒートポンプの仕組みをわかりやすく解説

ヒートポンプとは「熱をくみ上げるポンプ」

「ヒートポンプって何ですか?」とよくご質問をいただきます。
仕組みは難しそうに見えますが、実はシンプルです。

ヒートポンプは、温度の低い場所から高い場所へ熱を移動させる装置です。
水が自然に高い所から低い所へ流れるように、熱も本来は「高温 から低温」へ移動します。

逆方向に動かすにはエネルギーが必要で、その役割を担うのがヒートポンプです。

このコラムでは、小難しい構造の説明よりも、
ヒートポンプの基本(役割/身近な例/省エネに効くポイント)を整理します。

ヒートポンプは身近な機器で広く使われている

ヒートポンプは、私たちの身の回りでも多く使われています。

  • エアコン:暖房は外の熱を室内へ、冷房は室内の熱を外へ移動
  • 冷蔵庫:庫内の熱を外へ逃がして冷やす
  • エコキュート:外気から熱を集めてお湯をつくる

共通するメリットは、少ない電力で大きな熱(冷やす・温める)に変えられることです

ヒートポンプの基本構造

一般的なヒートポンプは電気で動き、内部では冷媒が循環しています。
冷媒は、圧縮 → 放熱 → 減圧 → 吸熱のサイクルを繰り返すことで、熱を運びます。

  • 圧縮すると冷媒温度は上がり、熱を放出しやすくなる
  • 減圧すると冷媒温度は下がり、熱を吸収しやすくなる

この働きにより、投入した電力以上の熱を移動することができます。
効率の目安として、投入エネルギーに対して移動できる熱量を表す指標が COP(成績係数) です。

条件にもよりますが、COPは3以上になることも多く、効率の高い技術として知られています。

さらに冷房コストを下げる鍵は「熱源」

大原則として、ヒートポンプは熱源がないと効果を発揮できません
どこかから熱をもらって移動させるため、熱を受け取った側(熱源)は温度が変化します。

  • 暖房(加熱)をすると:熱源側は冷える
  • 冷房(冷却)をすると:熱源側は温まる

つまり、省エネ化の本質は「熱源をどう確保し、どう設計するか」にあります。

省エネ化しやすい熱源の条件

ヒートポンプの効率を高めるうえで、特に重要なのは次の2点です。

  1. 熱量が大きい(熱を多く持てる)熱源
  2. 熱源温度と供給先温度の差が小さいこと

水のポンプが「持ち上げる高さ」が低いほど楽に動くのと同じで、ヒートポンプも温度差が小さいほど消費電力を抑えやすい特徴があります。

空冷と水冷の熱源の違いについて

多くのヒートポンプは、空気または水(液体)を熱源に使います。

  • 空気を熱源に使う:空冷ヒートポンプ
  • 水(液体)を熱源に使う:水冷ヒートポンプ

一般に、同じ温度条件なら水の方が熱を多く持てるため、 水冷は効率面で有利になりやすい傾向があります。

地中熱・地下水熱・排熱回収ヒートポンプが評価される理由

地中熱・地下水熱・排熱回収が注目される理由は、主に次の2点です。

  • 熱源が水(液体)で、熱量が大きく効率を出しやすい
  • 熱源温度が比較的安定し、供給先温度との差を小さくしやすい

たとえば地下水を熱源に使う場合、夏は外気より低温、冬は外気より高温になりやすく、
結果として空冷より省エネになりやすい条件が揃います
加えて、排温水などまだ熱を持っている熱源を活用できれば、効率向上と排温水の再利用につながります。

まとめ:ヒートポンプは「熱源設計」で省エネ効果が決まる

ヒートポンプは機器単体の性能だけでなく、何を熱源として使うかで省エネ効果を大きく左右します。

地下水や排熱などを活用する水冷ヒートポンプは、条件が合えば省エネに大きく貢献します。

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